Project Story No.01土木

立会川幹線雨水
放流管その2工事

工事期間:2016年6月~2020年11月

実施工初のH&Vシールド工法によるスパイラル堀進に挑む!


東京都世田谷区から品川区を流れ、東京湾勝島運河に注ぐ立会川では、近年、集中豪雨による河川の氾濫や堆積物が押し流されることによる水質悪化が問題になっていました。そこで、品川区・目黒区・大田区・世田谷区の一部の雨水を収容する雨水放流管を立会川に沿うように地下につくり、河川周辺の浸水被害を軽減するとともに勝島運河の水質改善に向けた整備をするのがこのプロジェクトです。

制約の多い地中を
どう掘るかが課題


清水建設の太田所長(左)と土木営業部の山本課長(右)

「今回のプロジェクトの大きな課題は、どうやって放流管を通すか、でした」と説明してくれたのは、この工事を統括する清水建設の太田所長。地中には多くの杭が埋まっており、1本の太い放流管を通すことができませんでした。そのため、放流管を2本に分けることを計画(設計は下水道局)。そこで採用されたのが、H&Vシールド工法です。連結した2つのシールドマシンで同時に2つのトンネルを掘ることができ、地中でマシンの並びを縦横に変えることができるのが特徴です。「本工事では、初めは並行してマシンを走らせ、途中で片方のマシンを軸にもう1片方のマシンを90度回転(ローリング)させ、マシンを上下にすることで、杭を避けて掘削を行いました。この工法が実際の工事に使われたのは世界初です!」(太田所長)

シールドは機電の知識が鍵。
エスシー・マシーナリなら安心して任せられる。
どう掘るかが課題


機電チェックの様子

「山本課長だから安心して機電担当を任せられました」と太田所長。「山本課長とは、10年来の付き合いで、一緒にシールドの現場をやってきました。シールドマシンは機械、電気の知識が成功の鍵を握るので、エスシー・マシーナリさんが担う役割が当然重要になってきます。その点、山本課長は、豊富な経験から現場の特性を把握して、最善の計画・運用をしてくれました。工事の繁忙期になると、山本課長だけではマンパワーが足りなくなり、SCマシーナリに機電要員の増強を依頼しました。増員される方が新人ということで、不安がありましたが、林さんの向上心を持って何事にも積極的に取り組む姿勢は素晴らしく、すぐに現場の戦力となってくれました。」

2本同時の掘削で、
資材も2倍!


「私の仕事は機電係として、場内の機械電気設備の保守点検ですが、計画に合わせて物や人の手配もしています。H&V工法では、2本同時に掘削していくので、2倍の資材が必要でした。置き場が限られていたため、あまりストックができず、タイムリーに手配をするのに苦労しました。」と話すのは入社3年目の林さん。山本課長のサポートとして、清水建設へ出向という形で異動し、ここが初めての常駐現場でした。「現場が昼夜稼働していたので、何かトラブルがあると時間に関係なく対応しなければならなかったため、非常に大変でした。」

資材管理

現場を止めないこと。
それが一番の使命!


シールドの現場

掘削稼働するマシンに合わせて配線計画を立案したのは、シールド工事の経験が豊富な山本課長でした。「ここでは6600vの高圧電線を配線しました。シールドの現場ではマシンが掘削しながら進むため、トンネルが伸びていくのに合わせてケーブルを継ぎ足していく必要があります。ケーブルを200m巻きためておき、順次繋いでいくのですが、現場の作業状況を見ながら計画的に電気を止め、最小限の時間で継ぎ足せるようにしました。電気が止まってしまうと、作業に影響が出てしまうため、常に細心の注意を払っていました。」

世界初に携われたことが、
大きなやり甲斐に!


「土木の営業担当部署に配属されてから、これまで主にシールドの現場を担当してきましたが、今回、世界初のシールド工法を経験できたことは大変貴重でした。シールドマシンの製作はメーカーが行うため、普段はマシンの設計に関わることはありませんが、今回は、マシン内の機械、電気設備について、メンテナンスを考慮した配置を提案できたことが、大きなやり甲斐、自信となりました。」(山本)
「シールド掘削が完了し繁忙期を終えたため、山本課長は営業に戻り、今は私一人で現場を担当しています。頼れる存在がいなくなり、不安もありますが、反面、自分でやらなければならないという責任感を強く持つようになりました。現場の期待以上の計画を提案していくことで、また次の現場にも呼んでもらえたら大変嬉しい限りです。」(林)

ものづくりの体験ができるのは、現場ならでは!


シールドの現場

「現場にいると、日々、着実に工事が進んでいくことが実感でき、達成感を持てるのが最高です。自分たちの計画に基づいて、必要な仮設備が入り現場が組みあがっていくときには、ワクワクし、それが解体される場面では、『とうとう本体構造物が完成したんだなあ』と感慨深いものがあります。ものづくりを肌で感じられるのは、やはり現場ならではの大きな体験だと思います。」(山本・林)

Project member

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